大規模修繕を検討している方がまず悩む点は、業者選びではないでしょうか。業者の違いによって、工事の出来栄えや品質も左右されますので、慎重に業者を選定することが大切です。
しかし、工事を請け負っている会社は数多くあるため、どこに頼めばいいのかを判断するのは難しいかと思います。
このページでは、大規模修繕を行う際の業者選びのポイントについて説明いたします。
大規模修繕を行う業者を選ぶ時は、次のような点をチェックするようにしましょう。
大規模修繕の施工実績の多さや、どのような工事経験があるのかを確認することが大切です。
実績が豊富な業者は知識や技術力が優れているのはもちろん、今までの経験から様々な建物や劣化症状に対応できるノウハウも持っているので、安心して工事を任せられます。
また、修繕工事の場合は入居者やテナントが入っている状態となるため、新築工事ではなく修繕工事の実績が豊富な業者に依頼することが重要です。修繕工事の実績がある業者であれば、入居者や企業への配慮もしっかりと行ってくれるでしょう。
保証やアフターフォローの有無は、必ず確認するようにしましょう。
保証やアフターフォローの内容は業者によって異なり、例えば不具合が生じた時にすぐに駆けつけて対応してくれたり、数年ごとに定期点検を行ってくれる業者などがいます。
また、かし保険に加入している業者であれば、より安心して工事を依頼できます。
かし保険とは、施工後に業者が倒産した場合も、不具合が生じた時に費用を補償してくれる制度です。保険の内容も工事の詳細によって変わってくるため、事前に業者へ確認しておくことが重要です。
500万円未満の工事を行う場合は建設業許可は必要ありませんが、500万円以上の工事を行う際は建設業許可が必要となります。
建設業許可を取得するには、実務経験や資格の有無、会社の営業状態などが審査されるため、建設業許可を持っている業者は信頼性が高い業者と言えます。
見積書の項目や数量、単価などが詳しく書かれているかという点も重要なポイントです。
見積書は工事内容や使用する建材、金額などを示したものになるので、詳細を記載せずに「一式」ばかり書かれている見積書は信用できません。このような業者は、手抜き工事をしたり、相場よりも高額な費用を請求してくいる可能性があります。
また、見積書の内容や質問した事項について、しっかりと丁寧に説明してくれる業者であるかもチェックしておきましょう。
優良な業者であれば、知識の少ない方にもわかりやすく説明してくれたり、質問されたことに対してハッキリと答えれくれます。反対に、見積り内容や工事に関しての説明が無かったり、質問にも曖昧に返答するような業者は、知識や技術力が低いと思われるので注意が必要です。
大規模修繕を行っている業者の種類は、以下の3つに分類されます。
総合建設業者とは、いわゆるゼネコンと呼ばれる建設会社のことです。
営業から設計、施工まで全て行っているので、工事に関することを一貫して任せることができます。また、マンションやビルの施工経験も豊富で、人材面や技術面など組織力について高い能力を発揮します。
ただし、実際に施工するのは下請け業者になる場合がほとんどなので、下請け業者によって工事の品質が異なる点が不安要素として挙げられます。
マンションやビルの管理会社が修繕工事を行うケースもあります。
日頃から管理している建物なので、状況や構造を理解しているのが最大の強みです。ただ、大規模修繕に対応していない会社もあるので事前に確認しておく必要があります。
専門業者とは、大規模修繕を専門に行っている会社ことです。修繕工事の専門業者のタイプとしては、地域密着型と幅広いエリアをカバーしている会社の2種類あります。
専門業者は修繕工事のプロなので、最も高い技術力と豊富な知識を持ち合わせています。さらに、入居者がいる状態での工事経験も豊富なので、入居者への細かな気配りや対応に関しても優れていると言えます。
大規模修繕を行う業者の選定方式は、以下の3種類あります。
見積もり合わせ方式とは、複数の業者に見積もりを依頼して比較する方法です。一般的によく用いられている選定方式となります。
見積もり合わせ方式の場合は、複数の業者の見積書を比べることができるので、費用の相場も把握しやすく、より優れた業者を見つけられるといったメリットがあります。
ただ、見積書の内容が専門的で理解するのが難しいため、あらかじめチェックするポイントを抑えておく必要があります。
入札方式とは、入札を希望する複数の業者を公募し、競争入札を行って業者を選定する方法です。
競争入札とは、発注者側にとって最も有益な条件を提示した者が選ばれる方法のことです。工事の金額で業者を比べられるため、業者の選定もスムーズに行うことができる利点があります。
デメリットとしては、金額面での競争となるので、安い金額を提示する為に材料費や人件費を削ることが考えられ、結果的に工事の品質が劣ってしまう可能性がある点が挙げられます。
特命随意契約方式とは、発注者が選んだ1社の業者から見積もりを取って工事を依頼する方法です。
基本的には、前回依頼した業者や信頼関係のある業者に依頼することが多いです。一度依頼した業者であれば信頼性も高く、建物の状態や前回の修繕内容も把握しているため、工事もスムーズに進めることができます。
ただ、相見積もりを行わないので、高めの金額を提示される可能性もあります。
大規模修繕を行う業者に発注する方法は、次の3種類です。
責任施工方式とは、業者側に調査や施工など工事に関係すること全てを任せる方法です。
1社に全てを任せて窓口を一つにすることで、打ち合わせにかかる手間を省けたり、発注者の負担も減らせるといったメリットがあります。また、オーナー様自身で業者を選べるため、費用や工事内容をしっかりと把握したうえで工事を進めることができます。
ただ、確認事項や書類のチェックや業者の選定などは管理組合が行わなければならないので、修繕工事に関する知識や経験がないと負担が大きくなる可能性もあります。
管理会社施工方式とは、管理会社に調査や施工を任せる方法です。
マンションやビルの状態を熟知しているので、信頼性や安心感があるといった点がメリットとして挙げられます。また、アフターフォローの窓口も管理会社になるため、万が一の時もスムーズにやり取りできる利点もあります。
デメリットは、管理会社に全て任せることになるので適正価格なのか判断がしにくかったり、施工業者の技術力や実績を確認するのが難しいといったことです。
設計監理方式とは、大規模修繕のコンサルタントを担う会社や設計事務所、建設会社に工事計画の作成・設計・工事監督を依頼する方法です。
コンサルタントにアドバイスを貰いながら計画を立てたり、業者を選ぶことができるため、より質の良い工事が期待できます。さらに、コンサルタントが第三者の立場で診断や工事をチェックするので安心感もあります。
ただし、工事費用とは別にコンサルタントや設計事務所などに支払う費用が必要となるため、全体的にかかる費用が高くなる可能性もあります。
業者を選ぶ際は、業者の実績やアフターフォローの有無、担当者の対応の良さなどをチェックすることが大切です。また、大規模修繕を行う業者や契約方法などは様々なので、オーナー様自身がどのように工事を進めたいのかを明確にしておくようにしましょう。
修繕工事の専門業者であれば、豊富な知識と高い技術力でオーナー様が望む工事を実現することができます。また、工事や費用面だけではなく、入居者への配慮についてもしっかりと考えてれるため安心して任せられます。
大規模修繕を検討している場合は、ぜひ一度アパマン修繕テックにご相談ください。